はじめに｜扶養の範囲内で収入を増やしたいあなたへ
「子どもとの時間を優先しながら、少しでも家計の足しにしたい」 「フルタイムは難しいけど、在宅でできる仕事があれば…」
そう考えるシングルマザーは少なくありません。しかし、いざ副業を始めようとしても、
- 扶養の範囲ってどこまでOK？
- 税金や保険はどうなるの？
- 子どもがいても無理なくできる仕事は？
など、制度や働き方に不安を感じる方も多いはずです。
この記事では、扶養を外れずにできるシングルマザー向け副業を厳選して紹介し、税金や制度の基本知識もわかりやすく解説。厚生労働省・国税庁などの公式情報を引用しながら、安心して副収入を得るための実践ガイドをお届けします。
筆者も離婚当時は、扶養内に収まるようにパートをしていましたが、学校行事などで休むことも多く、収入が減ることもあり現在は在宅ワークで調節しています。
扶養内っていくらまで？基本をおさらい
副業を考える前に、まず「扶養の範囲」を正しく理解しておくことが大切です。扶養には税法上の扶養と社会保険上の扶養の2種類があり、それぞれの上限額を超えると影響が出てきます。
扶養に入るメリットとは？
扶養に入っていることで得られる最大のメリットは、税金や社会保険の負担が軽くなることです。
- 税金の負担が減る：扶養に入っていれば、自分の所得に対する所得税がかからないケースが多く、配偶者や親の所得控除にもつながります。
- 保険料の負担がない：社会保険上の扶養に入っていれば、健康保険や年金の保険料を自分で払わずに済みます。
- 働ける時間が限定的でも対応しやすい：副業やパートなど短時間労働でも、一定の収入が得られ、扶養範囲内で調整できる柔軟性があります。
これらのメリットを生かすためにも、自分の収入見込みと扶養の基準を照らし合わせて副業を選ぶことが重要です。
| 区分 | 年収上限の目安 | 超えるとどうなる？ |
|---|---|---|
| 税法上の扶養 | 年収103万円以下 | 配偶者控除の対象になる（所得税が安くなる） |
| 社保上の扶養 | 年収130万円未満 | 健康保険・年金の扶養に入れる（自分で保険料を払う必要なし） |
※会社員の親や配偶者の扶養に入っている場合は、特に「130万円の壁」に注意が必要です。
この扶養制度の理解が曖昧なままだと、せっかくの副業収入が思わぬ税金負担や扶養からの外れにつながってしまう恐れもあります。
そこで、国が公式に定める基準を事前にしっかり確認しておくことが安心への第一歩です。
出典：国税庁｜扶養控除の仕組み
この扶養制度の理解が曖昧なままだと、せっかくの副業収入が思わぬ税金負担や扶養からの外れにつながってしまう恐れもあります。
そこで、国が公式に定める基準を事前にしっかり確認しておくことが安心への第一歩です。
特にシングルマザーには「寡婦控除」「ひとり親控除」といった税制上の優遇措置があります。これにより、扶養内での収入が多少上回っても、実質的な税負担が軽くなるケースもあります。
| 控除の種類 | 対象者の条件 | 控除額 |
|---|---|---|
| 寡婦控除 | 配偶者と死別・離婚後、子がいない・年収500万円以下 | 最大27万円 |
| ひとり親控除 | 扶養する子がいるシングルマザー・父 | 最大35万円 |
これらの控除は、住民税の非課税条件にも影響するため、年収103万円〜130万円の間でも、「手取りが増える」可能性があります。
該当するかどうかは、住民票のある自治体や税務署に一度確認してみると安心です。
103万円って少なく感じる方も多いのではないでしょうか。しっかり稼げるのであれば、扶養内を気にしなくていいかもしれませんが、上手に控除などを使っていきたいですよね。
シングルマザー向け｜扶養内でできる副業8選
育児と両立しやすく、扶養を超えずに収入が得られる副業を、実際の求人ニーズや人気度を参考に厳選しました。
それぞれの副業には特徴や向き不向きがあります。ご自身のスキルやライフスタイルに合わせて選び、無理なく続けられる形を見つけましょう。
以下に、8つの副業を具体的な仕事内容・必要な準備・収入の目安とともに詳しく解説します。
1. Webライター
- 自宅にパソコンとネット環境があれば、今すぐにでも始められる代表的な在宅ワーク。
- 主に企業のブログ記事や商品紹介文、コラムなどを作成。未経験OKの案件も多数あり、タイピングと文章力があれば大きな武器に。
- 文字単価は0.5円〜1.5円が相場。仮に1記事1000〜1500円として、月5〜10記事書けば1〜3万円の収入が見込めます。
- 子どもが寝た後や早朝など、自分のタイミングで作業できるのも魅力。
2. ネットショップ・ハンドメイド販売
- minneやCreema、メルカリShopsなどを活用して、手作りアクセサリーや布小物、子ども用アイテムを販売。
- ストック型で一度出品すれば繰り返し売れる商品もあり、在宅でも無理なく続けられるのが特徴。
- 利益は商品価格から材料費・手数料を差し引いた金額で、ひと月あたり3,000〜15,000円前後が目安。
- 梱包や発送も家庭内で完結でき、子育ての合間にコツコツ進めやすいのが利点。
3. データ入力・簡単事務作業
- 主に名簿やアンケート結果などの情報をExcelや専用システムに入力する仕事です。細かい作業が得意な人に向いています。
- 案件はクラウドワークス、シュフティ、ママワークスなどで多く掲載されています。
- 基本的なPCスキル（Word、Excelの初歩レベル）があれば応募可能。マニュアル付きの業務も多く、未経験者でも安心して始められます。
- 時給換算で800〜1200円が相場。1日1〜2時間×週3日で月1万円前後の収入も現実的です。
筆者の在宅ワークの第一歩目は、「データ入力」でした。始めたばかりの金額は、驚くほど低かったですが、続けてくうちにスピードやコツが掴めたので、収入もアップしました。
4. ポイントサイト・アンケートモニター
- スマホ1台で始められる副収入手段。主にアンケート回答や広告閲覧、ミニゲームなどでポイントを貯めて、現金や電子マネーに換金できます。
- モッピー、ECナビ、マクロミルなどの大手サイトは運営歴も長く信頼性あり。
- スキマ時間（通勤・育児の合間・寝る前）にできるため、忙しいシングルマザーにもぴったり。
- 1日10〜15分で月1,000〜3,000円程度の収入に。
5. スキルシェア（Canva・デザイン制作など）
- SNS投稿画像・バナー・チラシ・名刺デザインなど、初心者でも学びながら取り組める在宅ワーク。
- Canvaなどの無料ツールを活用すれば、専門ソフトを使わなくてもデザインが可能。
- ココナラやSKIMA、クラウドワークスなどで「ちょっとしたデザインを頼みたい」というニーズが高く、月1万〜2万円前後の受注実績も多数。
- 子どもの体調や学校行事に柔軟に対応できる点が、ママたちに人気です。
Canva Proの料金は、個人利用で年間12,000円、または月額1,500円です。チーム利用の場合は、5人までで年間18,000円、または月額3,000円です。
Canva Proは我が家は大活躍です。仕事だけでなく、子どものお手伝い票など使えるポイント盛りだくさんです。Canva Proはおすすめです！
6. 通販の発送代行（在宅軽作業）
- 自宅でネットショップの梱包・発送を代行する在宅ワーク。小規模な企業や個人ECショップからの依頼が多く、内職感覚で取り組めます。
- 作業内容は商品を包装・ラベル貼付・宛名記入・箱詰めなど。1件あたりの単価は50〜150円程度が多いですが、慣れてくると時給換算で800〜1000円相当も可能。
- ママワークスやCrafterなどの在宅求人サイトで随時募集があるため、登録しておくのがポイントです。
7. 子育てブログ・アフィリエイト
- 自分の育児体験や暮らしの工夫などをブログにまとめ、広告（Googleアドセンスや楽天・Amazonアフィリエイト）で収益を得るスタイル。
- 最初は収入ゼロが続くこともありますが、記事数とPVが増えれば月5,000〜30,000円の収益も狙えます。
- 初期費用はサーバー代やドメイン代（月1,000円前後）程度で低コスト。ライティングやマーケティングを学べる副業としても◎。
8. チャット対応・カスタマーサポート
- 企業やECサイトなどのチャット窓口・メール問い合わせに対応する業務。音声通話はなく、文章のやりとりが中心。
- パソコン操作と正確な入力ができれば未経験でも可能。業務マニュアルが用意されている場合が多く、研修制度がある求人も。
- 1シフト2〜3時間からOKの募集もあり、平日夜や土日だけでも働ける柔軟さが魅力。
- 時給制で900〜1200円が相場。月1〜2万円程度の収入を目指しやすい。
扶養内で副業する際の注意点
副業を始めるときには、収入を得ることだけに目が行きがちですが、「扶養内であること」を維持するためにはいくつかの注意点があります。以下に代表的なポイントを整理しました。
1. 年収の見込みを定期的に確認する
- 年収が130万円を超えると、社会保険上の扶養から外れて自分で保険料を支払う必要が出てきます。
- 年末に「想定より多く稼いでいた」というケースも多いため、月ごとの収入を記録しておくのが安心です。
2. 継続案件は“月額制”に注意
- チャット業務や委託契約など、毎月固定の報酬がある副業は、意外と早く上限に達する可能性があります。
- 「短期・単発の仕事を定期的に行う」形のほうが収入調整しやすくなります。
3. 交通費・報酬の形態にも注意
- 在宅ではなく外出を伴う業務の場合、交通費も「報酬」として含まれる場合があります。
- 業務委託かアルバイトかによっても税制上の扱いが異なるため、契約内容の確認は必須です。
4. 住民税・所得税が発生する可能性を理解する
- 年収103万円を超えると、配偶者控除が適用されなくなるほか、自分自身に所得税がかかる場合も。
- 副収入があることを職場や扶養元に黙っているとトラブルのもとになるため、正直に相談するのがベストです。
扶養内副業の成功事例｜リアルな体験から学ぶヒント
実際に「扶養内」で副業に取り組んでいるシングルマザーの成功事例を紹介します。収入だけでなく、自分に合った働き方や生活リズムを見つけた人たちの声から、実践のヒントを得ましょう。
● ケース1：Webライターで月3万円安定（30代・未経験スタート）
フルタイムは難しかったので、子どもが寝た後に記事を書く生活をスタート。最初は1記事500円からでしたが、半年で単価も上がり、今では月3〜4万円の安定収入に。文章を書くのが好きだったこともあり、自分の強みを活かせる働き方に出会えました。
● ケース2：ハンドメイド販売で育児の隙間時間を収入に（40代・2児の母）
趣味で作っていた布小物をminneに出品してみたら、思いのほか売れてびっくり。週末にまとめて制作し、平日に発送するペースで、月1〜1.5万円の副収入になっています。家計にもゆとりが生まれて、達成感も大きいです。
● ケース3：在宅チャット対応で夜の時間を有効活用（30代・パートと両立）
子どもを寝かせた後の21時〜24時にチャットサポートの仕事をしています。マニュアルがしっかりしていて、文章対応なので気が楽。月1万〜2万円ほどですが、時間に融通が利くので無理なく続けられています。
成功している人たちの共通点は「扶養のルールを守りつつ、無理のない働き方を選んでいる」こと。家庭や体力とのバランスを考えながら、自分らしい副業スタイルを見つけていきましょう。
まとめ｜自分に合った副業スタイルで家計と心にゆとりを
シングルマザーが扶養の範囲内で収入を得ることは、金銭面だけでなく精神的な安定にもつながります。
この記事では、扶養の仕組み、注意点、具体的な副業例から実体験までを網羅的に紹介してきました。
大切なのは「完璧を目指さないこと」。
自分と子どもの生活リズムに合った副業スタイルを選び、少しずつ取り組むことで、自信や達成感も得られるようになります。
家計の足しになることはもちろん、スキルアップや再就職への準備としても大きな一歩になるはずです。
無理せず、でも確実に、自分らしい収入の形を見つけていきましょう。
