はじめに|「習い事って本当に必要?」という悩み、ありませんか?
子どもが成長してくると、「そろそろ習い事を始めたほうがいいのかな?」「周りはもう始めているけど、うちはまだ…」と不安になる保護者は多いはずです。
実際、2023年のベネッセ教育総合研究所の調査では、未就学児の約75%、小学生では85%以上の子どもが何らかの習い事に通っているという結果が出ています。
でも、経済的な負担や送迎、家庭のライフスタイルなどを考えると、「本当に必要か?」「何を優先すべきか?」は家庭ごとに大きく異なります。
この記事では、
- 習い事にかける費用の現実
- 我が家で優先したこと/やめたこと
- 習い事のメリット・デメリット
- 習わせないという選択も“正解”である理由
を、リアルな視点でお届けします。
意外と習い事で悩むのが、幼稚園や学校での周りの環境ではないでしょうか?我が家の習い事スタートもきっかけは「周りが初めているから」でした。

習い事にかける費用の現実と、平均データから見えること
「周りがみんなやっているから」と習い事を始めても、無理のある費用が家計を圧迫してしまっては本末転倒です。
2022年の日本政策金融公庫の調査によれば、子ども1人あたりの習い事にかける月額は、小学生で平均13,000円〜15,000円ほど、中学生では15,000円を超えるケースもあります。
ただし、これはあくまで「習い事をしている家庭の平均」であり、実際には「1つしか通っていない」「何もしていない」家庭も多く含まれています。
また、習い事が増えることで発生するコストは単なる月謝だけではありません。
- 交通費やガソリン代(送迎)
- 試合・発表会・遠征の費用
- ウェア・道具・備品の購入
- 兄弟姉妹分の追加負担
など、トータルで月2〜3万円以上かかるケースも珍しくありません。
▼習い事にかかる主な費用イメージ
費目 | 月額の目安 | 備考 |
---|---|---|
月謝 | 5,000〜10,000円 | 習い事の種類により変動 |
交通費 | 2,000〜5,000円 | 送迎が必要な場合 |
ウェア・用品代 | 初期1〜3万円 | 道着、楽器、ユニフォームなど |
イベント関連 | 年間3〜10万円 | 発表会・試合・合宿・衣装代など |
このように、思っている以上に“見えないコスト”が存在します。
だからこそ、「本当に必要か?」「我が家の家計や子どもの性格に合っているか?」という視点で見直すことがとても大切です。
あとは、お子さんの人数にもよります。我が家は、長男は毎月県外に大会や遠征。長女は、ダンスや体操で衣装…。多い月で7万前後かかった月もありました。
我が家の選択と優先順位|“全員が通う”ではなく“本当に必要な1つ”を
我が家には小学生と未就学児の2人の子どもがいます。周囲の家庭が2〜3個の習い事を掛け持ちしているのを見て、「うちも何か始めた方がいいのかな…」と悩んだ時期もありました。
でも我が家の結論は、「家庭全体の余裕がなくなるくらいなら、無理して習い事を増やす必要はない」でした。
▼我が家が優先したポイント
- 子どもの「やってみたい」という気持ちがあるか
- 送迎や生活リズムに支障が出ないか
- 家計の中で無理なく継続できる金額か
- 子どもの性格に合った内容か(静かに集中するのが好き/体を動かすのが得意 など)
たとえば、上の子には運動系の習い事(空手)を1つだけ。下の子はまだ日常生活のリズムを優先したいので、習い事は見送っています。
“すべての子に平等にやらせる”のではなく、“その子にとって今必要なこと”に絞って選ぶことで、結果的に親も子も疲弊せずに済んでいます。

習い事のメリットとデメリットを整理する
習い事には確かに多くのメリットがありますが、同時に見過ごせないデメリットも存在します。家庭の状況や子どもの性格によっては、“やらない方がうまくいく”こともあるのです。
▼メリット
- 子どもの「得意」を伸ばせる
- 礼儀や集中力が身につく
- 学校以外の人間関係ができる
- 自信や自己効力感を育てられる
▼デメリット
- 費用・送迎など親の負担が大きい
- 子どもが疲れてストレスになることもある
- 続かない場合に“やめどき”を見失う
- 家族全体の生活リズムを崩す可能性も
習わせないという選択も“正解”である理由
習い事をしていないと「遅れてしまうのでは?」「子どもが可哀想なのでは?」と不安になることもありますが、それは決して“劣った選択”ではありません。
実際に、子どもは日常生活の中でも十分に多くのことを学んでいます。家庭での会話、公園での遊び、家のお手伝い、近所のお友達との関わり——どれもが社会性や知恵を育む大切な経験です。
また、「自由な時間を多く持てる」というのは、子どもにとって大きなメリットでもあります。何かに追われることなく、好きなことを見つけ、自主的に取り組む力を育てる余白になるからです。
▼習わせないことで得られること
- 家族での会話や遊びの時間が確保できる
- ストレスの少ない生活リズムが保てる
- 子どもが“退屈”の中で創造力を育む時間が生まれる
- 費用・送迎の負担が減り、家庭全体の余裕が増す
習い事を「しないこと」も、子どもの個性や家庭の価値観を尊重した立派な育児の形。大切なのは、“周りと比べずに、子どもと家庭に合った選択をすること”です。
子供達の習い事が休みの日は、ゆっくり家族時間が取れるので子供達も休憩でき、私も急かすこともなくゆっくりできています。
まとめ|「必要かどうか」より「わが家に合っているかどうか」
習い事は決して“やらなければならないもの”ではありません。
たしかに多くの家庭が習い事を取り入れており、得られる学びや刺激も大きいですが、一方で負担やストレスを抱える家庭も少なくありません。
この記事で紹介したように、
- 習い事にかかる実際のコスト
- わが家が選んだ優先順位
- 習い事のメリット・デメリット
- 習わせないという“選択肢”の価値
を総合的に見て、いちばん大切なのは「わが家の子どもにとって本当に必要か?」という視点で考えることだと感じています。
周りの家庭に流されず、親の“やってあげたい”と子どもの“やりたい”のバランスを取りながら、心地よい選択ができること。
それが、家庭にも子どもにも、いちばん良い成長につながるのではないでしょうか。

